×

よく混ぜる

配合エサを加える

解凍したオキアミ

 

カモメ

コマセミキサー(Crusher)

◆エサ
エサには 「つけエサ(「差餌(サシエ)」とも言う)」 と 「まきエサ(「コマセ」とも言う)」 の2通りがあり、どちらもオキアミを使用します。 つけエサとはハリに付けるエサのことであり、まきエサとは魚を寄せるために撒くためのエサのことです。 つけエサもまきエサも、ボイルした後、カチンコチンに凍らせたオキアミ・ブロック[1.5kg/3kg]を解凍して使用します。 また、つけエサは魚の食い気を誘う加工がされた専用のものもあり、かなり効果的ですのでお勧めです。

◆オキアミブロックの解凍方法
ハンマーでやっと砕けるほどカチンコチンに凍ったオキアミは、現場(磯)で解凍することになります。 自然解凍に頼れば、夏場で2時間は掛かってしまいます。 釣り場を前にしてそんな暢気(のんき)に待っていられませんので、逸早く解凍させるためには、専用の解凍用網袋に入れて海水に暫く浸しておきましょう。 ものの10分も浸しておくと、ほどよく解凍します。 解凍のためとはいえ、海に直接放り込むのは流される惧れがありますので絶対に止めましょう。 海水を溜めたバッカンの中か、タイドプール(磯場にある水たまり)に浸して解凍するようにしましょう。

◆エサの手配
島の釣具店は大抵朝7時ころに開店します。この時間にエサを手配していては既に手遅れで、入りたい磯には入れません。 ならばどうするの? 方法としては、@東京からオキアミを持って行く。 A前日までに現地の釣具店へ手配しておく。 現実的に@は無理があります。 ただでさえ荷物が多くなる釣行で、さらに数kgをプラスするなんて少々過酷です。 ということでAにしましょう。 前日までに現地の釣具店へお願いしておけば、前夜のうちにエサをキチンと用意しておいてくれます。 例えば、名前を書いて外置きのケースに入れておいてくれますので、早朝でもエサが手に入るというわけです。 更には、前夜のうちに外出ししてありますので、オキアミがほどよく解凍していて、磯に立ってすぐに使えるというメリットもあります。 ただし、代金はその日の釣具店の営業時間内に支払うことが大前提です。

◆コマセ(撒きエサ)の量
地域によってはまきエサの量に制限がある所がありますので注意が必要ですが、早朝から丸1日釣りをするとなると、一体どれくらいのエサが必要になるのでしょう? 目安は一人4.5kgから6kg(オキアミ・ブロック1.5個〜2個)くらいです。
これ以上の撒き過ぎは環境汚染になり兼ねませんし、魚が腹いっぱいになって活性が落ちる原因にもなります。 また、オキアミだけを撒くと、パラパラとバラけて、狙うポイントに思うように撒けませんので、バラけるオキアミをまとめるためにも、更に集魚効果を持たせるためにも、「配合えさ」(写真)を入れてブレンドします。 配合エサを加えることで、オキアミがまとまり、撒き易くなりますし、魚に対して視覚だけでなく臭覚にも有効にアピールすることが出来ます。 要するに、“オキアミ+配合えさ“となりますので、丸1日でも充分な量といえます。(ただし、入り磯する(ポイントを攻める)人数にもよります。)

◆コマセ(撒きエサ)作り
撒きエサのことを”コマセ”といい、専用のバッカンを使います。
ここに解凍したオキアミと集魚財を入れて(プラス少々の海水)混ぜ合わせて作ります。
オキアミの大きさには、M・L・LLの3タイプがあり、離島の大型をターゲットにするような場合にはLLがお勧めです。 
先ず、解凍したオキアミは、コマセミキサーで更に一尾単位にほぐします。 釣れる魚の大きさや活性等その時の状況によって、@大(オキアミのほぼ原型) A中(オキアミの原型の半分程度) B小(オキアミを細かく砕く)に仕上げます。 次に、適度にほぐしたオキアミの量に対して適切な量の配合エサを混ぜていきます。 ここで、オキアミ***kg/配合エサ***kg/水***ccと、料理のレシピのように解説できたらいいのですが、いろいろ試してみて最良の配合を感覚でつかんでください。 ちなみに私の場合を紹介しますと、オキアミ3kgに対して配合エサ一袋(+α)、水は入れません。 なぜならば、オキアミ自体に含まれている水気だけで充分だからです。 オキアミが入っていたビニール袋に溜まったエキスこそ、エサ作りには欠かせません。 混ぜていて水気が足りないな!?と感じても海水を足すことはしません。 ぬか床を丹念にかき混ぜている内に水分が湧き出すイメージで、オキアミに含まれている水分を引き出すわけです。 これはあくまで私の場合です。 海水を入れて作ったまきエサが、使っている内にベチョベチョに緩み、まとまらず、撒き難くなってきたら配合エサを足して調整します。

◆腐るエサ(つけエサ・まきエサ)
つけエサ、まきエサに使用するオキアミは、生・ボイルを問わず、時間が経てば傷んできて黒く変色します。 オキアミを捕食する魚にとっても、傷んだエサは美味しくないでしょうし、食欲をそがれるってものです。 冬場など気温の低い時期であれば、ほとんど傷みませんが、夏場の炎天下に野晒しではすぐに傷んでしまいます。 では、夏場を想定したエサの取り扱いについて考えてみましょう。 最初から一度に全部のオキアミをまきエサとして作ってしまった場合、傷みの進行は同時にやってきます。 

◆カラスとカモメ
カラス・・・日本に棲む鳥としては中型で、集団の中で組織を形成するとても利口な鳥です。 体とは少々アンバランスな大きなクチバシが特徴で、何でもよく食い、したたかな奴等です。 曲者というか巧者です。 都会でもゴミを漁っている姿をよく見ます。 

◆つけエサ
“さしエサ“とも言います。 これもオキアミです。 オキアミ・ブロックの一部をつけエサにしますが、この他に、つけエサ用に加工した専用のエサが市販されています。 集魚効果のあるタレに漬け込んだものや、ノンボイルの生のもの、選りすぐりの南極オキアミ等、大きさも”S・M・L・LL・3L“とラインナップされています。 状況や狙いによって選びましょう。 

オキアミ・ブロック

配合エサ

左:1.5kg/右:3kg

市販のつけエサ

つけエサ

コマセ(まきエサ)

カチンコチンに凍ったオキアミ・ブロック

解凍用網袋

タイドプールに浸して解凍するオキアミ・ブロック

◆HOW TO つけエサ
エサの付け方はどうするの?

×

×

×

×

そのまま
尻尾を取る
頭を取る
身だけ
抱き合わせ
(2尾)
背掛け
腹掛け

エサの付け方にはいろいろありますが、私が最もお勧めなのが、“尻尾からハリを通す、1尾そのままの背掛け”です。 ここで少々脇道に逸れますが... 船釣りでもエサによくエビを使います。 「エビで鯛を釣る」なんて諺もある通りです。 エビ(オキアミ等)は実にポピューラーな魚釣りのエサとして使用されています。 さて、この船釣りの場合、エサのエビの“尻尾”について、いろいろと言われることがあります。 投入した仕掛けがタナ(魚がいる深度)に到達するまでに、エサのエビの尻尾が海水の抵抗を受けて、クルクルと回転し、ライン・トラブルの元になるから「尻尾は除いてハリに付けろ!」と、私も指導されたことがあります。 果たして真相は不明ですが、当時は頑なにそう信じていました。

約10年ほど前に“船釣り”から“磯釣り”にスタイルを変えた以降も、つけエサのエビは尻尾を除いて付けていました。 これは決して間違いではありませんが、磯釣りの場合、投入した仕掛けがタナに到達するまでに、エビの尻尾が海水の抵抗でクルクル回転しトラブルの元になるようなことはまったくありません。 むしろ、尻尾からハリを通すことで小魚等のエサ取りに多少突かれても外れなくなるのです。 

◆つけエサのバランス
先ず、エサの付け方はハリの大きさとのバランスが大事です。 例えば、小さいハリに大きいつけエサを差せないことはありませんが、魚がエサをくわえた時、肝心の口にハリ掛りせず、エサだけが持って行かれることになります。 これでは如何につけエサを食わせるかの努力が水の泡ということですね。 小さいハリには小さめのエサというのが基本です。

またまた少し脇道に逸れますが、バランスの問題は何もハリとエサの関係だけに限ったことではありません。 そもそも大型狙いに小振りの仕掛けということはありませんし、その逆も然りです。 狙う魚の大きさに比例した仕掛けになるはずです。 それはつまり、その時の状況によって、ハリ・ハリス・ミチイト・ウキ、そしてロッドとリールの全てに要求されるバランスなのです。 このようにトータル・バランスを考慮した仕掛け作りが“釣り”を組み立てる時の大事なポイントになります。

踊り子推奨

お!

まいう〜

ごちそうさん♪

◆まき餌

結構デカイ

バッカンの中にまだ充分に残っているまきエサも、午後には傷み出して黒く変色してくるでしょう。 こうなると魚は見向きもしてくれません。 反対に警戒させてしまうことにもなります。 つけエサも、まきエサも鮮度がとても大切ですので、このような事態を避けるためにも、まきエサは何回かに分けて作りましょう。 とりあえず使わないオキアミは、午後のために解凍せずに残しておきます。 それでも夏場の炎天下に野晒しではすぐに傷んでしまいますので、出来るだけ涼しい日陰に置きます。
最も鮮度を保つ方法といえば何でしょうか?

答えは、「クーラーボックスに入れておく」ことです。 これが一番です。 しかし大抵、行きのクーラーボックスには、ビールやジュースやお弁当が入っています。 そのためのクーラーボックスですからね。 もしもこのクーラーボックスの中にオキアミを一緒に入れたら... これは想像に難しくありません。 まず弁当は食べたくなくなるでしょう。 要するに、オキアミの放つ独特な甘い何とも言えない臭い(決していい匂いではありません)が移ってしまうのです。 クーラーボックスにオキアミを入れる場合は、よほど厳重に包んだ上で入れましょう。 これで、一作目のまきエサが無くなった後でも、新鮮なまきエサ・つけエサで続けられるというものです。


◆新鮮なオキアミ ◆傷んだオキアミ

 時間が経つと、腸
 (はらわた)部が黒
 く変色してくる

カモメ・・・海に生息している鳥で、主に表層を泳ぐ小魚を食べます。 特に釣り人に害を及ぼすことはありません。 人間との距離(間合い)はかなりあり、よっぽどの事がない限り、この距離を縮めることはしません。 釣り人は、カモメの行動から情報を得ることがあります。 ズバリ“潮流”です。 やや沖合いの海上でエサを食うカモメから、まきエサの流れていく方向や道筋、更にはタナ(魚が居る深度)までを知ることが出来るのです。 是非、カモメの行動も見逃さないようにしましょう。

勿論これが磯場にも居るのです。 先ず、先鋒の一羽が餌を発見すると、決して単独行動には出ず、餌の上空を旋回しながら遠い仲間に連絡します。 すると5分もしない内に、複数のカラス、いわゆる実線部隊がやってきて、一個小隊を組織します。 餌を中心に遠巻きな円形を狭めていく殺法から、しつこい位にあれこれ餌の獲得作戦に乗り出してきます。 他に有効なエサ場情報がない限り飛び去ることはしません。 ここで奴等が狙っているのは、釣り人が撒いているまきエサや、予備として置いてあるオキアミや配合エサ、更にはお弁当やお菓子の類まで食物という食物全部です。 海と対峙していて後方は隙だらけの釣り人の荷物は格好の獲物というわけです。
「弁当をカラスに持って行かれた」なんて話はよく聞きます。 奴等でも歯が立たないクーラーボックスや磯バッグなどに収納して置くことが、カラス対策には最も有効です。

カラス

生なオキアミ
”生イキくん”

”くわせコラーゲン磯”

コンパクト設計の
オキアミクラッシャー

柄杓ケース

柄杓

柄杓ホルダー

バッカン

◆配合餌(集魚材)

最近ではさまざまな配合エサがラインナップされていて、状況や自分の釣りスタイルに合ったエサ作りが可能です。 配合エサを使うことによって、コマセオキアミ

を有効に魚にアピールしてくれます。 コマセオキアミをまとめる効果だけでなく、集魚力がある素材として、イワシ粉末・オキアミ粉末・酵母・ムギ・ニンニク・粒エサ・海苔・・・等々の多彩な有効成分が配合されていて、魚を強力に寄せて、活性を高め、食欲を誘い、その状態を持続させる効果があります。 たくさんの種類がある集魚材を選ぶポイントとしては、@比重 Aまとまり(遠投性) B拡散性 C主たる素材 です。 例えば、海苔の季節でない時に「海苔大量配合」なんて集魚材は無理があります。 また、まとまり過ぎて拡散しないものはどうでしょう? 磯際から沖目までの広範囲をマルチに攻めたい時には、まとまりが良く、そこそこの比重で遠投性もあり、水中ではほど良く拡散するものがお奨めです。 
磯釣り上物狙いのウキフカセでコマセに配合エサだけを使用することはほとんど無く、固体エサのオキアミと混ぜて使うのが通例です。 この時に加える水の量の加減次第で、扱い難い・扱い易い撒きエサになりますので、十分に注意しま

集魚力UP!

しょう。
撒いたコマセが着水しても拡散せずそのままの状態で沈下して行く場合は少し水を足してやわらかく。逆にゆるゆる状態で撒くと着水以前にバラケてしまう場合は、集魚材を足してコマセ全体の含水率を下げてやります。 
磯では直ぐにでも「釣りしたい♪」という気持ちが先行し

てしまいがちですが、コマセ作りのこの微妙な調整には手を抜かないよう、最高のコマセに仕上げてからじっくりと釣りに専念しましょう。 


磯の踊り子
オキアミブロック解凍方法 | エサの手配 | コマセ(撒きエサ)の量 
コマセ(撒きエサ)作り | 腐るエサ(つけエサ・まきエサ) | カラスとカモメ 
つけエサ | HOWTOつけエサ | つけエサのバランス | 配合餌(集魚材) 
撒きエサ

コマセ用のエサができたら、とりあえず先ず、柄杓で数回撒いてみましょう。 コマセの出来具合を見るための試し撒きですから、5m〜10mの沖では確認できませんので、わりと手前に撒くのが基本です。 波の影響を受けない穏やかなポイントに撒いてみて、コマセの沈み速度と拡散性などを確認します。 コマセついでにエサ取りなどの小魚の種類と数も忘れずに確認すると良いでしょう。 
では、これで「ヨシ!」となったら、釣り開始です。

その前にもうひとつ・・・
磯場(つり場)に入ったら、撒きエサ作りが先か?タックルの用意が先か?
それは釣り人それぞれですが、オキアミが凍っている場合は、真っ先にオキアミを解凍しましょう。 解凍している間にタックルを用意すれば良いのです。 冬季以外の季節では、オキアミの解凍にさほど時間は掛かりませんので、タックルの用意が出来てからコマセ作りに取り掛かります。 また、既にオキアミが程よく解凍している場合は、先ずコマセ作りから始めます。 

さて、コマセが出来て、コマセチェックもできたら、ここぞ!というポイントに数回撒いてみましょう。 「ここにエサがあるぞ」とターゲットにアピールしておきます。 そして、タックルを手に取り、ハリにつけエサを付けて、仕掛けをポイントへ投入する。 その前に必ず数回撒きエサをします。

撒きエサの事をコマセワークと言い、フカセ釣りの重要なワークとなります。

磯場(釣り場)に入って、コマセ作りからタックルの用意、コマセワークとラインメンディング、更にはフィッシュON、そしてやり取りからタモ入れまで、一連の動きを無駄なく格好良くスマートにこなしましょう。 出来れば踊るように♪